サンフラから北へ450キロ

カリフォルニア州ハンボルト郡の情報

酩酊者のパラダイス

今回のエントリーでは、VICEというサイトで見つけた記事の翻訳を載せます。端折ったところや雑な訳もありますが、御容赦いただければと思います。今回は前半部のみです。

www.vice.com
ハンボルト郡の酩酊者のパラダイスは大麻合法化を恐れる

ヒッピーと白人肉体労働者で構成される、カリフォルニア州のハンボルト郡は、アメリカで最もユニークな農業コミュニティの1つであり、そのコミュニティでは約3万人(ハンボルト郡人口の5分の1以上)が大麻栽培に従事している。アーバン・ディクショナリーでのハンボルトの定義は、「世界でも最高の品質を持つ…、北カリフォルニアの大麻天国」である。ノース・キャロライナにおけるタバコの様なものであり、そこの住民達は彼らの最も有名な生産物を合法市場から遠ざけたいのである。

2010年におけるカリフォルニア州大麻規制法案の投票の準備段階に、この奥まった未開の原生林地帯においてトラックや丸太小屋や家屋敷に張られたステッカーがあった。そのステッカーは「ハンボルト郡を救え‐大麻の非合法継続を」と訴える。その姿勢は単純で合理的な経済的理由に基づく。もし大麻がカリフォルニア州で合法化されるなら(それは遅くとも2016年までに起きると考えられる)、ハンボルト産大麻の価格は下がり、地元産業を解体すると専門家は予測する。

その植物は地元経済と密接に結びついたので、ハンボルトで生み出されるお金の4分の1は大麻栽培から来ていると経済学者は見積もる。そして、生産者の多くは税金を支払っていない(または銀行さえ利用していない、彼らはプラスチック製の筒やガラスのボトルにお金を入れて地中に埋める)ので、地元のサービスは大麻マネーで維持されている。例えば、大麻マネーによって消防車を購入したり、地元ラジオ局や2つのコミュニティセンター、小さな学校を設置したりした。

地元民の言うところの「レッドウッド・カーテン」の背後にある世界は、米国で独特である。地元の店やレストランは、大麻がこの地域にもたらした現金に依存していることを認める。ネイルサロンはこの地域に現れた若い女性のグループの需要に応える為に設置された。彼女たちは「大麻プリンセス」(または「大麻娼婦」)として知られ、リッチな大麻栽培経営者とデートをする。ある大麻生産者は「大麻の合法化は、北カリフォルニアの長く続いたにわか景気の歴史において唯一の最もひどい経済失策だろう」と言う。

もちろん非合法活動に基づく経済に問題もある。1980年代よりは治まったが警察の手入れにより収穫物は一掃され、栽培生産者を餌食にする銃での強盗が多数ある。ある最近の強盗では、60代の夫婦が複数の銃と数千ドルの現金と共に7ポンドの精製された大麻を奪われた。2004年から2012年の間にハンボルトで起きた38件の殺人の内、23件はドラッグ関連である。

続く

More Than Just Parks

エントリーの内容が自然ばかりで申し訳ないのですが、Redwood National and state parksの美しい動画を見つけたのでアップします。前回のエントリーで書いたバナナスラッグも出てきます。

vimeo.com

ハンボルト郡の野性生物

オリックのレッドウッド・クリーク・トレイル付近でキャンプをしていた人達がクーガ(mountain lion)に付け回されたという少し変わった記事を読んで思い出しましたが、ハンボルト郡には東京では見られない野性生物を見ることが出来ます。

例えば海洋生物ですと、トリニダッド(Trinidad)というアルケータから24キロ北上した沿岸の町では、崖から沖で鯨が泳いでいるのを確認出来るときがあります。

アルケータ市内ではかなり大きい鹿に遭遇することがあり、レッドウッド・コミュニティ・フォレスト周辺ですと野性動物から庭の植物を荒されるのを防止する為、微弱電流の流れる電線を花壇に張っている家を見かけます。他に、道端などには野苺がよく生えていますが、よく目を凝らすとその茂みにアライグマ(raccoon)を見つけるときがあります。キュートな見た目と反対に獰猛な動物です。

鳥類ではハチドリ(hummingbird)を見かけます。昨年6月にアルケータに戻ったときもハチドリが大学内の花の周りを飛んでいました。ビーチでペリカンの群れが飛んでいるのを見たこともあります。アルケータ市内にはアルケータ・マーシュ(Arcata marsh)という沼地があり、そこで様々な鳥を観察することが出来ます。

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雨の多い時期(10月~4月)に入ると路上などで頻繁に見かけるのがバナナスラッグ(banana slug)です。Slugとはナメクジのことで、まさに見た目はバナナの皮の様です。かなりグロテスクですがアルケータのマスコット的な存在でもあります。

lostcoastoutpost.com

The tallest tree in the world

以前のエントリーで、アルケータはレッドウッドの森に囲まれた田舎街だと書きましたが、このレッドウッドという樹木の一番高いものがハンボルト郡に隣接するデル・ノート郡(Del Norte County)にあり、それが世界一の樹高を持つ木だそうです。その世界一の木はハイペリオン(Hyperion)と名付けられており、高さは115.72メートルとのこと。そしてハイペリオンはレッドウッド国立州立公園(Redwood National and State Parks)にあります。但し、ハイペリオンの具体的な場所は明らかにされていないようです。他にもレッドウッド国立州立公園には樹高世界トップ10に入るレッドウッドが数本あります。

レッドウッド国立州立公園は東京ドームの1万1200倍もある広大なもので、アルケータから一番近いインフォメーションセンターまではアルケータ空港から40キロ北上したところにあるそうです。

実はこれほど貴重な樹木があるにも関わらず、私はレッドウッド国立州立公園には一度位しか行ったことがありません。と言うのも、それなりに大きいレッドウッドはアルケータ・コミュニティ・パークにもあり、当時はそれらで満足していました。次回アルケータを訪れる際は、レッドウッド国立州立公園まで足をのばしたいです。


Exploring the Redwood Forest - YouTube

 

ハンボルト郡と映画

アルケータのあるハンボルト郡は、いくつかの有名映画のロケ地として使われています。例えば、「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」やジュラシック・パーク続編の「ロスト・ワールド」。スター・ウォーズは、スピーダーバイクでのチェイスシーンがハンボルト郡の州立公園で撮影されたようです。ロスト・ワールドは、コスタリカ熱帯雨林という設定でハンボルト郡内の州立公園が使われました。

vimeo.com
他に、単に手付かずの自然を表現する為のロケ地として選ばれたものでないものもあります。有名作品ですと、ジム・キャリー主演の「マジェスティック(The Majestic)」やダスティン・ホフマンモーガン・フリーマンが出演した「アウトブレイク(Outbreak)」です。これらはユリイカから少し下がったところにあるファーンデール(Ferndale)で撮影されたようです。残念ながら私はまだ両作品とも見ていません。

比較的最近の作品ですと、ブラッド・ピットショーン・ペン出演の「ツリー・オブ・ライフ(The Tree of Life)」でもハンボルト郡内の州立公園が撮影に使われたようです。

ハンボルト郡の美しい景色が見える映画として個人的にお薦めしたいのは、タイトルそのままの「Humboldt County」という映画です。ロサンゼルスで学ぶ医学生が、ある偶然からハンボルト郡に滞在して新たな価値観を見出していくという内容で、美しい景色がたくさん出てきます。撮影はハンボルト郡内の多くの箇所で行われており、アルケータのシーンも少しあります。ドラマなので色々と誇張されていますが何となくハンボルト郡の雰囲気が伝わる映画だと思います。


Humboldt County Trailer - YouTube

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映画ではWILDFLOWERの前が映っていたと思います。